書評

「宇宙への秘密の鍵」レビュー ホーキング博士が愛した宇宙にブラックホールは存在しない

宇宙への秘密の鍵

こんにちは。ロビン(@chiteki-robin)です。

宇宙は広い。想像しても追いつかないくらい。

わかってるけど、ついつい忘れてしまいがち。

彗星は宇宙に1000兆個あると言われてます。

地球の衛星は月1つですが、木星や土星には60個ぐらい衛星があります。

木星では3世紀以上(あるいはそれ以上)地球2つがすっぽり入ってしまう規模の嵐が続いています。

簡単には想像できないですよね。

 

この本の著者は「車椅子の物理学者」スティーヴン・ホーキング博士とその娘のルーシー・ホーキングさん。

太陽系の惑星の話を交えながら、理論物理学をわかりやすく物語に組み入れた子供向けの小説です。

と言っても、大人が読んでも「へー!」と思う箇所はたくさんあったし、小さな男の子が主人公となった物語だったので読みやすかったです。

 

テクノロジーを悪と考える両親の元に育ったジョージ。

彼の家には、車も洗濯機もなく、電気の代わりにろうそくで明かりを採っている。

父親は環境保護のデモに参加し、科学技術の進歩が地球を破壊していると頑なに信じている。

母親は自宅で栽培した野菜をふんだんに使って料理し、スナック菓子やジュースを与えてくれない。

毒素や添加物、放射線からなるべく我が子を遠ざけたいという想いから、「文明の利器」を持たず、素朴な暮らしを送っているがジョージにとってはそれがちっとも面白くない。

ジョージはコンピューターが欲しかった。普通の子と同じようにゲームがしたかった。

ジョージの家にはテレビすらないので、いつも友達にからかわれバカにされている。

ある日、隣に変わった親子が引っ越してくる。

アニーという女の子と父親のエリック。そして世界一パワフルなコンピューター、コスモス。

コスモスは意思を持って話すことができる特別なコンピューター。

そしてなんとコスモスのEnterキーは宇宙へ繋がるキーとなっているのです!

ジョージは宇宙を旅します。星の誕生を見たり、彗星に乗って土星まで行ったり。

ある日、エリックを疎んじる人物が彼を宇宙へ誘い出し、疑うことを知らないエリックはブラックホールに飲み込まれてしまいます。果たして、ジョージはエリックを救えるのか?!

というお話なのですが。

 

ストーリーの構成自体は大人にはちょっと物足りないかもしれないですが、読んでいてはっと気づかされる箇所がいくつかありました。

宇宙に旅立つ前、ジョージは「科学者の誓い」を宣言するよう促されます。

 

 

わたしは、科学の知識を人類のために使うことを誓います。

わたしは、正しい知識を得ようとする時に、だれにも危害を加えないことを約束します。

わたしは、まわりにある不思議なことについての知識を深めようとする時、勇気を持ち、注意をはらいます。

わたしは、科学の知識を自分個人の利益のために使ったり、このすばらしい惑星を破壊しようとする者にあたえたりすることはしません。

もしこの誓いを破った時は、宇宙の美と驚異がわたしから永久に隠されてしまいますように。

 

 

 

確かに科学は、地球を破壊していくかもしれない。

でも科学は、感じることや考えることや観察する力を使って、この壮大な宇宙を説明していくためのもの。

人を殺したり、自然を破壊したり、誰か個人の利益のためにあるわけじゃない。

この不思議な宇宙の謎が科学で解明されて、広くシェアされれば救えるものはたくさんある。

 

ジョージは最後にスピーチでこう語ります。

 

 

どうして宇宙で何十億年も前に起こったことを考えたり知ったりする必要があるのか?

そんなことを調べたって、なんの意味もないじゃないか!そう思う人もいるかもしれません。

ところが、ちゃんと意味があるのです。なぜかと言うと、その塵の雲がなかったらぼくたちは今ここにいないからです。

ぼくたちやぼくたちの地球ができあがるまでに、信じられないような長い時間がかかっています。

そしてこの地球に似たような惑星は、太陽系にはほかにありません。

ぼくたちが住める場所はほかにないのです。

ぼくたちの地球はすばらしい惑星です。そんな地球がぼくたちのものなのです。

ぼくたちは、全員が地球と同じ材料でできているのだし、地球のめんどうをちゃんと見る必要があります。

 

 

数年前になりますが、著者であるホーキング博士が「ブラックホールは存在しない」という論文を発表しました。

「光が無限に抜け出せない領域という意味でのブラックホールは存在しない」ということらしいのですが、学界では賛否両論を巻き起こし様々な意見が飛び交ってます。

今までまかり通っていた理論が根底から覆されることになるので今後も注目する価値ありますね。

 

いやー、宇宙は広すぎる!!

映画「MIB(メン・イン・ブラック)」の最後のシーンで宇宙人が地球を玉にしてビリヤードするシーンがありましたね。

実際、そんなものだったりして。

 

こんな壮大な宇宙にいるのに、私たちの日常はどうでもいいようなちっぽけなことに振り回されてしまってる。

地球もいつか滅びるかもしれないし、宇宙も膨張をやめてしまうかもしれない。

まあ、それも果てしなく遠い未来の話にすぎませんが。

小さな自分に嫌気が差したら、たまには宇宙のことを考えてみると良いかもしれませんよ。